旅館(宿坊)の立ち並ぶ細い道をくねくねと登ると、
木製の大きな鳥居が見えてきます。
そこが中社となります。
駐車場は更に暫く道を登った右手にあり、
石の鳥居から西参道に入る事になります。

この時、まだ雨は降っていました。
車から降りた瞬間、ひんやりとした冷たい空気に包まれ、
手が凍えました。






木製の大鳥居は、年代の古さを感じさせ、
大変厳かに佇んでいました。












鳥居の先にある階段を登ると、
開けた場所に出ます。










そこから振り返って見た大鳥居です。
雨のため、地面が濡れています。











階段を上がった右手に、
根元を共有する杉が植えられています。

この杉と、道の反対側の左右の杉は、
ほぼ正確な三角形をなしているそうです。
三本杉と呼ばれています。
この杉には、八百比丘尼との因縁が伝えられています。
若狭国(福井県)小浜の漁師が人魚を釣った。
人魚を食べると不老不死になるとの話を皆知っていたため、
人魚の肉が皆に振舞われても気味悪がって食べなかった。
一人の漁師がそれを知らず、娘に食べさせてしまい、
その娘は17歳のまま800年生きたという。
それを悔いた父が植えたものが、この3本の杉と言われています。

思わぬ所で思わぬ伝説と遭遇するものです。









御水舎も大変シンプルなものでした。
西鳥居を入ったすぐの所にも同じ形の御水舎があります。











さらに上へと続く階段があり、
登りきった所に境内が広がっています。












境内入り口の狛犬を撮ってみました。

























御神木の大杉。













中社は何度も火災に会い、昭和31年に再建されたものだそうです。

御祭神は、天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)。
天岩戸神楽を発案された知恵の神。

天岩戸神話とは、
高天原で暴虐を働くスサノオノミコトに心を痛めた天照大神が、
天岩戸に閉じこもってしまい、太陽が隠れ、闇に包まれてしまったために、天照大神を天岩戸から出すために、外で賑やかに歌い踊り騒ぎ、気になった天照がほんの少し岩戸を開いた瞬間に、天手力雄命が岩戸を力任せに開いた、というものです。
かなり省略しています。
芸能の神である天鈿女命(あめのうずめのみこと)が踊った事で有名ですが、神話ではかなりストリップのような大胆な踊りだったそうです。
性に関して開放的な所が、プリミティブな要素を感じさせます。


この時点では、雨は降ったり止んだりの安定しない状態でした。
時々日がさっと差し込んだりもしました。

空を見上げると、所々青空も見られます。


天候が回復する事を祈りつつ、奥社に向けて出発しました。











「ちょっとした風景」へ

羽黒・湯殿・鶴岡巡り

前日の12日は、長野県北部は大雨に見舞われていました。
13日のスッポト予報を見ると、午前は雨午後徐々に晴れとの予報。
かなり天候に不安を残しながら、私も母も「晴れ女」という一縷の望みをかけて決意、当日は6時半起床、日光東照宮の二の舞にならぬよう(出発が遅すぎて巡る時間が少なかった)少しでも早く出られるように努力しました。
努力はしたが、やはり出発は9時ちょっと前、平日だしどうにかなるだろうと車を走らせました。
行きは254号を通り、内山峠を越えて長野県に入り、18号をひたすら北上するルートをとりました。
なんと言ってもこの時期、内山峠の紅葉が目を奪われる見事さで、S字カーブに気を取られながらも必死で眺めました。
原油高騰の影響のためか、業務用大型トラックがスピードを出して走っており、どこかに停車して紅葉を眺める余裕もなく、今にして思えば画像の一枚でも・・・と心残り。
だが霧がまいていたため私の携帯カメラでは限界かな、との思いも。
佐久からは18号を延々長野市に向けて走るが、やはりトラックが多く、平均時速40キロ位だっただろうか。
距離も遠かったが、スピードののろさに、「やはり日光の二の舞になるかも」と不安になりました。
長野市に近づくにつれ、空を厚い雲が覆い出し、小雨もぱらついている。
余裕で傘を用意していなかったため、やはり気になる。
途中のコンビニで、トイレ休憩を兼ねて昼食を調達。
丁度、長野市に差し掛かった陸橋で、見事な虹に遭遇しました。
翌日新聞の地元版にも掲載されていましたが(同じ虹が群馬でも見られたらしい)、
陸橋を跨いで緩いアーチを描いて架かってい様は見事の一言。
まるで私達を歓迎するためであるかのように感じ、感動しました。
長野市に入ってからは善光寺を目安に案内板通りに進み、途中から戸隠の表示に従う。
長野オリンピックの時に造られた浅川ループラインを通り(この辺りの紅葉も見事!)、飯綱リゾートライン経由で戸隠バードラインへ。
この辺り、空は曇天、霧がまき、雨が降り続いていました。
12時半頃、大座法師池の側の駐車場に車をとめ、昼食を摂りました。
外は雨、気温もかなり低い。傘を持って来なかった事を悔やみつつ、雨が止むだろうという妙な強気も持っていました。
午後1時頃駐車場を出て、戸隠バードラインを気持ちよく走る。
そして案内表示に従い、戸隠へ向かう道へと右折。
道が狭くなり、急な坂道と激しいS字、油断していたらタイヤを激しく鳴らしてしまいました。

戸隠神社とは、宝光社(ほうこうしゃ)・中社(ちゅうしゃ)・奥社(おくしゃ)・九頭龍社(くずりゅうしゃ)・火之御子社(ひのみこしゃ)の5社の総称。
日本神話で有名な、天照大神の天岩戸神話に関係した地であります。
天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)が岩戸を開いて放り投げ、落ちた地が戸隠山とされています。
2000年前より人々の信仰を集め、修験の聖地でもあります。
10年以上前に初めて友人と訪れ、それがきっかけとなって日本神話に興味を持つようになったという経緯があります.
2回目に訪れた時は、兄が中社と奥社の両方で凶を引くという珍事件もありました。

今回は、火之御子社以外を参拝する予定でいました。

まず宝光社を目指すが、駐車場の入り口がわからず、後から車が来ていたため、通り過ぎてしまいました。
実は前回も通りすぎてしまい、一度もお参りをしていません。
今回も泣く泣く諦め、中社へと向かいました。

2007年11月13日、母を道連れに長野県の戸隠神社へ行ってきました。
癒しを求めるには聖域が一番、
日帰りのためのんびりは出来ませんでしたが、
思った通りの佇まいで私達を迎えてくれました。
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